60代からの行政書士受験(5)

予備校の気持ち

 予備校も営利企業です。受講生をふやしたい。そのためには合格者を沢山出すことに尽きるでしょう。一回で合格できなくても、もう1年通ったら合格できた、と言ってくれる合格者を出すことです。予備校では受講料に見合った結構な量の教材、副教材、問題集を付けてきます。とても一発合格を狙う私たち高齢の受講生が消化できる量ではありません。予備校としては、自社の教材をよく読めば、試験問題が解けたはずだと宣伝するためでしょう。しかし、それうのみにして学習すれば、いくら時間があっても足りません。また、先生方も結構高いハードルを出してきます。「合格者のレベルは、この問題についての正否は確実に判断します。」とか。このように言われると、正解できなかった自分が情けなくなり、「やはり1年では無理ではないか」と弱音をはきたくなります。「合格できなかったのは、予備校のせいではなく、自分の努力が足りなかったのだ」と思わせようとしているようにも思えます。では、どうしたら予備校に惑わされることなく一発合格できるのでしょうか。
 高齢者は予備校を使うべきといいました。予備校は的中率でも競い合っています。結構講師陣も教材や問題集作成に当たっては研究しているように思われます。それは、重点課題についてのランク付けに表れています。最重要課題をA、重要課題をB、一応見ておいてほしい課題をCとかに分類して教えてくれます。Cは予備校のカバー率担保のためではないかと思いますが。
 行政書士試験を初めて受けようとする受講生にとって、このランク付けを使わない手はない。2年以上の時間がある受講生であれば、体系的に全体を俯瞰して学習することができるのでしょうが、私たちは、1年という限られた時間を使って「とにかく180点のハードルを何が何でも超えたい」との思いで試験に臨むのですから、「全体として、よくわからなかったけれど、合格できた」でよいと思っています。
まずは、予備校で教えてくれるランク付けを使って重要課題、重点問題に的を絞ること。さらに、この重点問題について「理解できた、問題が解けた」のレベルから、「記述で問われても書ける」レベルまで、できるだけ引き上げておくことです。
 私にそこまでできたか、と問われれば、正直できませんでした。ここまでレベルアップしておけば、もう少し楽に合格できたと今では反省しています。私はよそ見やら道草が多すぎました。次回は、団子5兄弟の話です。