60代からの行政書士受験(7)

行政書士試験の攻略法

 攻略法を述べるところまで来ました。行政法は満点を取るつもりで・・・、民法は行政法に次いで得点が大きいので手抜きはできない・・・、憲法は・・・など、これらについては、予備校の最初の講義や受験本には必ず記載がありますので、科目別攻略法はそちらを参考にしてください。この項では私が受験で特に注意したことについて述べてみたいと思います。
〇記述式問題について
 記述式問題は、民法2問、行政法1問です。しかし、点数で見ると民法2問で40点、行政法1問で20点です。5肢択一式では1問4点ですから、民法では10問分、行政法では5問分に相当します。ここは捨てられません。というより、私は点を取りに行きました。5肢択一と多肢選択だけではとても合格点をとれる自信がなかったからです。過去問で記述式の解答の方法を何度も練習しました。3問のうち、1問は難問と考えたほうが良いと思いますが、それでも諦めません。記述式ですから何かしら書けば部分点になるでしょう。主語を含め、おおよそ三つから四つのフレーズが答えとして求められているので、ひねり出しても書くことです。前にも書きましたが、その試験年度の択一問題の成績レベルによって記述式の点数が甘くなったり、辛くなったりすると思っています。甘くなっていれば、多めに採点される可能性があります。
〇多肢選択問題と文章理解
 多肢選択問題は、憲法1問(8点)、行政法2問(16点)で、枠内にある20個の選択肢の中からそれぞれ4か所(1か所2点)に穴埋めしていく問題です。一方、文章理解は国語の問題で、文章の並べ替えや空欄補充などです。文章理解は、一般知識等5肢択一問題14問(56点)のうちの3問(12点)です。この問題は、国語の苦手な人はテクニックを使って解くことです。予備校では文章理解だけを扱う専門のコースを設けているところもあります。一般知識には足きりがあり、56点満点中24点以上を取らなければ、即不合格となりますので、文章理解は絶対に満点の12点は取っておきたいところです。政経社の問題は、過去問が使えず予想もつかないからです。
 さて、ここで多肢選択と文章理解をなぜ一緒に扱ったかといいますと、多肢選択問題も文章理解と同じように長文を読ませられます。文章理解で使った手法がここでも役に立つことがあるからです。
〇試験時間3時間の使い方
 試験問題は、だいたい基礎法学、憲法、行政法、民法、商法、会社法、多肢憲法、多肢行政法、記述行政法、記述民法、一般知識(政経社、情報通信、個人情報保護)、文章理解の順になっています。私はまず行政法で頭をならし、次に基礎法学、憲法と進み、時間的余裕があるうちに文章理解をこなします。次に、一般知識、記述問題、多肢問題、民法、商法、会社法と進み、難問として後回しにした問題もさらっと考えます。まだ時間があるうちに、読み間違いや書き間違い、勘違いなどのケアレスミスがないかチェックします。もうこの段階では、難問として飛ばした問題については、どれかに答えは書きますがチェックはしません。
 試験時間は3時間と長丁場のようですが、時間が余ることはまずありません。後半になるとだんだん焦りがでてきて、まともに頭が回転しなくなります。文章理解のように解答に時間がかかるものは早めに解いておかないといけません。普通、3時間のうち心が折れる瞬間が3度あるといわれています。試験センターは、受験生の時間管理能力も評価しているのでしょう。時間の使い方や試験になれるという意味で、予備校の行う模擬試験は2~3回受けておくとよいでしょう。試験前ですから合格点が取れなくてもあまり気にしないで、本番に集中することです。
 次回は、まとめです。