エンディングノート
エンディングノートとは、人生の終末期を迎えるにあたって、自分に対する終末医療や死後の取り扱い、財産の所在や処理、そして家族へのメッセージなどを書き置いたものです。終末期には判断能力や意識がなくなってきているため、自分の意思を正確に伝えることができません。仮に、パートナー間や同居の親子間ではお互いの意思疎通が図られていたとしても、同居していない兄弟や親せき、友人、医療関係者、看護・介護の方々にまでは本人の意思は伝わりません。パートナーやご子息が、これらの関係者から「本人は本当にそのように言っていたのですか?」と問われたときに困らないよう、証拠として示せるものを残しておく必要があります。「どうして一筆書いておかなかったのか」と後で家族に言われないようにしておきたいものです。
さて、エンディングノートの必要性は理解できたとして、何を、いつ、どこまで書いたらいいの?これって遺言と同じ?などなど疑問が出てくると思います。面倒だな、今度にしようと後回しにしたくなりますが、思い立ったら吉日です。このブログをお読みになったら、すぐにボールペンと用紙を用意し書いてみましょう。
先ず、今自分が突然死したら家族が何に困るかを考えてみてください。パソコンやタブレット端末を開く暗証番号でしょうか、携帯電話の暗証番号ですか、ネット銀行のID・パスワードですか、へそくりの銀行口座でしょうか。家族がその存在すら知らないもの、知っていても開けられないもの、これらのものは必ず書き物にして残しておいてください。特にデジタル遺品となる携帯電話やパソコンの暗証番号は必須です。今は世帯主として本人が知っていればよいこれらのデジタル機器の中身は、本人亡き後ブラックボックスとなって家族は大変困ることになります。IDやパスワードは、一覧にして書類にまとめ自宅の金庫(貸金庫は開けるまでの手続きに時間がかかりますのでお勧めしません)の中とか、書き込んだエンディングノートの端を糊付けして読めないようにしておくとか工夫してみてください。ただし、自分の終末期や死後に必ず見つけてもらえるようにしておかなければ意味がありません。
一つ片づけることができたら、終末医療などのことも気になるでしょうから、随時書き足してください。
何を書き残すかの判断基準は「これを知らなかったら、家族は困るだろうな」ということです。