カツオとワカメは磯野家の養子?
私は、小さいころから毎朝新聞を見るのが楽しみでした。朝刊の三面にある四コマ漫画です。長谷川町子さんがその時々の世相を切り取った「サザエさん」。テレビが一般家庭に普及するようになると、毎週日曜日放映の「サザエさん」を、中学生になっても高校生になっても見ていました。ものすごく平凡で、悪人の出てこない平和な日常を、よく視聴者を飽きさせずに描けるものだと今でも感心しています。
ところで、この「サザエさん」ですが、最初のころから登場人物に違和感を持ち続けていました。サザエさんは、父・波平と母・フネの子でもであることには問題ないのですが、同じ両親の子供でありながら、長女のサザエさんとカツオ(長男)とワカメ(次女)の二人とはあまりにも歳が離れすぎているのです。私の見立てでは、少なくともサザエさんは27歳位にはなっているはず。一方、カツオは小学校5年生(11歳)、ワカメは3年生(9歳)の設定ですから、サザエさんとワカメとの歳の差は18年もあることに。どう見ても、同じ母親フネの子供とは信じがたいのです。
漫画の世界のことだから何も目くじらを立てなくても、と言われるのが大方でしょうが、そこは私、「相続」を専門とする行政書士でありますので、いささか疑問符を持たざるを得ないのです。
現実にこのような家族があったならば、戸籍を取れば家族の身分関係は簡単にわかります。とはいっても、戸籍を役場に請求することができる人は、戸籍に記載されている者又はその配偶者であって、正当な目的を有している者に限られます(戸籍法)。お隣さんの氏素性を知りたいからと言って、戸籍の交付請求をすることはできません。
話を本題に戻します。私は、三つの仮説を持っています。
その1 カツオとワカメは、どっかから磯野家の養子としてもらわれてきた。
その2 サザエさんは、波平の前妻の子供である。いわゆる連れ子。
その3 その1とその2の両方で、フネに実子はいない。
真相は、作者の長谷川町子さんにお尋ねしたいところですが、さてどうでしょうか?
ところで、サザエさんの旦那さん(マスオ)の友人であり、波平の甥っ子であるノリスケさんの本名をご存知ですか。ノリスケさんは、波平のお姉さんか妹さんが嫁いだ先、波野家のご子息のようです。ノリスケさんは、入江タイ子さんと結婚し、イクラちゃんとの三人暮らし。イクラちゃんは、フグ田マスオ、サザエさん夫婦の長男タラオ(通称タラちゃん)とは大の仲良しです。
磯野家の家系図を作ってみたら、きっと面白い世界が広がりますよ。