「キキクル」と「危機」

 2021年7月10日、気象庁は梅雨前線が活発化し、鹿児島県薩摩地方北部に線状降水帯が形成され、命に危険がおよぶ土砂災害や洪水による災害発生の危険度が急激に高まっているとして「顕著な大雨に関する気象情報」を出した。この時同時に、地図上に色分けした危険度分布を示し、災害から身を守るための可視化情報を提供した。この危険度分布の愛称が「キキクル」である。この「キキクル」には、土砂災害、浸水災害、洪水災害の三種類があり、それぞれ色の変化から危険度の高まりが判断できるので、これを見て早めに身を守る行動をとってほしいとのこと。スマホやパソコンで「キキクル」と検索すれば簡単に見ることができるので、一度お試しあれ。
 さて、話は変わりますが「キキ」を漢字で書けば「危機」となり、先ほどの「キキクル」の「キキ」とはちょっと意味合いが違ってくると私は思っています。「危」はdangerで「危険」の意味、「機」はoppotunityで「機会」の意味をそれぞれ持っているのでは。よく「ピンチ」は「チャンス」といいますよね。この「危険」を身をもって体験し、これに対応できなかった理由を冷静に分析、体系化、数値化して、これを基に今後どのように対応するか、「人」「もの」「金」をどのように投入すれば最適解が示されるのか、徹底的に調査・研究すべきでしょう。日本は、コロナ禍という「危機」をどのように克服して次のチャンスにつなげていくのか、今試されています。