暮らしの中での困りごと、先ずは市役所の相談窓口へ
1.相談窓口を知る
私たちが毎日の生活で困ったことがあったら、先ず市役所(区役所)の相談窓口に行ってみることです。行政機関には色々な相談窓口があり、私たちの困りごとに対応してくれています。
かつて、私はお役所に相談に行くことは大嫌いでした。お尋ねしても一向にまともな対応を受けたことがなく、無性に腹が立って二度と相談に行くものかと思うこともしばしばでした。
しかし、今の行政機関の対応はものすごく改善されていて、とにかく親切です。もっとも、こっちが高齢者になってしまったせいもあるかもしれませんが。とはいっても、お役所の皆さんは大変お忙しい中での対応であり、いつもいつも時間を割いて相談に乗っていただけるとは限りません。
このようなときに頼りになるのが、相談専門の窓口です。川崎市の各区役所には、日常生活の困りごとに応じて専門の相談窓口とプロの専門家を用意し、その対応を図っています。
総合受付は、各区役所とも「地域振興課相談情報担当」です。川崎市全体では「サンキューコールかわさき」と銘打って、電話窓口(午前8時から午後5時 年中無休)044-200-0108が用意されています。先ずはここに電話して、自分が抱えている困りごとはどこの窓口へ行けばよいのか尋ねてみることです。自分で探すとすれば、区役所の総合受付または地域振興課相談情報に備え付けてある「川崎市相談のご案内」(川崎市相談一覧表)というA3サイズの一枚物のパンフレットをもらって、相談窓口を見つけてください。
市の市民相談員が対応する「市民相談」は、日常の困りごと相談の総合案内です。ここで区役所内の担当相談窓口などを教えてくれるはずです。
行政では対応できない困りごとの場合は、プロの相談窓口に行きます。例えば、不動産や金銭等でのトラブルは弁護士相談、相続に関係する不動産登記手続きなどは司法書士相談、遺産分割協議書や遺言書に関する事柄であれば行政書士相談、宅地建物の売買や契約などは宅地建物取引士による宅地建物相談、交通事故の損害賠償や保険手続きについては専門の相談員による交通事故相談、税金の計算方法や申告手続きなどは税理士税務相談、働く人の労働条件や会社での困りごとは社会保険労務士による労働相談など、まだまだあります。どれもプロの専門家による無料相談となっています。
2.相談窓口での上手な相談の仕方
プロが行っている相談は予約制であり、しかも時間は概ね30分以内とされています。従って、聞きたいこと尋ねたいことは予めメモにまとめるなど要領よくすることです。原則一案件一回限りとされていますので、十分な回答が得られるかどうかわかりません。その時は「さらに聞きたいときは、どこへ行けばよいでしょうか」と尋ねておくことです。行政書士であれば地域の行政書士会を教えてくれます。
問い合わせ先を聞くことのほか、問い合わせに関連する小冊子がないか聞くこともポイントです。よほど特殊な問題でない限り、結構同じような問い合わせがあるものです。その場合に備えて、Q&Aという形でまとめてあったりします。そのような小冊子がないかも聞いてみてください。
行政側が用意している制度の解説書も、とても参考になります。窓口においてあるパンフレットしかないように思いますが、結構分厚い制度の解説書も用意されています。これは目に見えるところには置いてないので、上手に聞き出すことです。例えば、高齢者向けの福祉サービスについては「高齢者のしおり」にまとめてあり、全部で100頁余の冊子となっています。ここには各種の福祉サービスが網羅されており、とても参考になるとともに、今まで知らなかったサービスがあったりします。障がい者向けには「精神保健福祉制度の手引き」があります。これらの冊子を読むと結構多くの行政サービスが準備されていることがわかります。しかし、行政側からこのサービスを選択し利用を勧めることはめったにありません。
結局、私たちは自分自身のこととして行政を積極的に活用していくことが大事です。日本は「申請主義」です。行政サービスを利用するには自分自らが探し、そしてその利用を申請していく必要があるのです。
そのためには、いままで述べたように、行政の相談窓口を利用して自分に必要なサービスメニューが無いか尋ねてみることです。
(参考)川崎市麻生区にお住まいの方へ
麻生区では「保健福祉の相談窓口一覧」とするパンフレットに相談窓口を詳しく紹介しています。発行元は麻生区役所地域みまもり支援センター地域ケア推進課です。電話044-965-5303