一年の計は元旦にあり、一家の計は身にあり
「一年の計は元旦にあり」とは、「これから1年の目標や計画をたて実行するには、年の初め、それも元旦に計画を立てることが大事」との意味であることに異論はないでしょう。この格言を誰が言い始めたのかを調べていましたら、諸説あるようですが、一説には更にこの前後に続きがありました(出典:デジタル大辞典(小学館))。
一日之計在晨(一日の計は朝にあり)
一年之計在春(一年の計は元旦にあり)
一生之計在勤(一生の計は勤にあり)
一家之計在身(一家の計は身にあり)
これを「四計」といい、
一日の計画は朝にきちんと立てなさい
一年の計画は元旦に立てなさい
一生は真面目に働くことできまります
一家の将来は主人の身の振り方できまります
という意味だそうで、この「四計」は、中国の明の時代、ひょうおうきょう という偉い学者が中国の年中行事や儀式を解説した「月令広義(げつれいこうぎ)」という書物に書いているそうです。
どうしてこのようなことを調べることになったかといいますと、小生が参加している地域のコミュニティに「ゆっくりカフェ」というお茶飲み会がありますが、そこの主催者の方から、「高橋さんは行政書士と聞いた。ついては何かお話しをしてください」との依頼があり、ショートスピーチをすることになったためです。
といっても、小生は相続や遺言といった、いわゆる「終活」を専門としているので、このテーマでお話しするには、年初早々はいかがなものかと思っていました。
「一年の計は元旦にあり」とはいうので、何かヒントはないものかと思案していたところ、先ほどの「四計」にたどり着いたわけです。
終活(エンディング)ノートは、自分の来し方を振り返り、余生のなかでやり残したことどう解決するか、更には自分がいなくなった後の家族に何をどのように残していくか、そのために今自分は何をしておくべきか等を考えるために、どうしても必要なものです。
まさに「一家の計は身にあり」であり、「一年の計は元旦にあり」です。お正月を迎え、心機一転、気持ちも新鮮であるこのときにこそ「終活」を考えるべきです。
この年初に「エンディングノートに挑戦しよう」と題してお話をしようと決心がついたのは、この「四計」をもとにした格言があったからです。