60代からの行政書士受験(6)

5肢択一問題の構成

 5肢択一問題は、どのように作られているのでしょうか。まず5肢択一問題の肢ごとの難易を考えてみましょう。難度の高い肢とは、殆どの受験生が判断できない(正解しない)問題で、レベル5とか言われるもの。易しい肢とは、受験生の5割以上が正解する肢で予備校がAランクとしていた問題(重要課題、主要論点、優先度上位、基本問題、重要条文あるいは頻出問題と言われる問題等)、レベル3以下と表されます。
 私は団子とタレの関係で問題の構成を考えました。タレのついた肢は、Aランク。タレのつかない肢は、難問です。串に5個の団子(問題肢)が刺さっているイメージで、①タレツボに一個もはいっていない串団子、②1個だけタレツボにはいった串団子、③2個から4個がタレツボに入った串団子、④全部の団子がタレツボに入った串団子があるとします。
 ツボの中のタレとは、基礎部分であり、正解しなければならない領域(レベル3以下)と考えます。
①どの団子にもタレがついていない串団子は、受験生を悩ませ、委縮させる難問題で、私たちが考えてはいけない問題。
②1個だけタレがついていますので、早く見つけられたら時間の節約になる問題。
③2個から4個の団子がタレツボに入った問題。
④どの団子にもタレがかかっています。全部の肢がAランクで、良問といわれるもの。
 5肢択一の問題は、このいずれかの構成となっており、問題を解くには、肢を最初から順番に時間をかけ正解を求めていくことよりも、まずタレのついていない団子、つまり考えなくてよい肢(考えてはいけない肢)とタレのついている団子(時間をとって考える肢)を区別することだと考えます。今まで学習してきた中に出てこなっかった、または過去問にもなかったようなことを問うている肢は、この問題と無関係として切り捨てます。そうすれば、考えなければならない肢が残り、一歩正解に近づくことができますし、効率的だと私は考えます。
 自分が学習したAランクの基本問題、重要課題を含む肢には絶対正解があるはずだと信じ、それ以外の肢は、仮に正解がそのはずした肢であったとしても、あっさり捨てます。そう考えることによって心にゆとりができ、うっかりミスも防ぐことができたと思っていますし、何よりも試験中に心が折れることもありません。
 試験センターは、基本問題、重要条文をしっかりやってきた受験生を合格させるように問題を作っている、と私は信じています。そのように信じた結果、5肢択一の問題は、団子とタレの関係にあると自分なりに考え、タレのついていない団子は捨てることとしたのです。
 もっとも、私の場合、わき見やら道草で時間をとってしまい、Aランクに時間をかけられず、思うように点が伸びなかったことが悔やまれます。もう少し基本問題を深堀しておくべきでした。